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プロスポーツ界にもDXの波!西武ライオンズのデータサイエンティストの仕事とは【募集中】

デジタルトランスフォーメーション。さまざまな業界やビジネスの現場で聞こえるようになって久しい言葉ですね。それはスポーツ界も例外ではありません。

メジャーリーグでは2000年代初頭からデータを活用した野球が広がり、日本のプロ野球においても同様です。球場内にはトラックマンやホークアイなどの計測機器が設置され、多くの指標を計測できる仕組みが整っています。

ライオンズでも兼ねてからデータ活用に取り組んでいますが、今年から“データ戦略室”を立ち上げ、チーム強化を目的としたデータ活用の取り組みが加速しています。

現在当社では「データサイエンティスト」を9月末まで募集しています。試合の戦略や選手のパフォーマンス向上、スカウティングなど、多くの場面でデータ分析が活用されていますが、それを推進するのがデータサイエンティストの役割です。

今回はデータ戦略室で働く2人にインタビュー。プロ野球でのデータ活用や、ライオンズでの取り組み、仕事のやりがいなどを聞きました。

プロフィール
西 秀幸(にし ひでゆき) データ戦略室チーフ
オハイオ大学・スタンフォード大学を卒業後、株式会社デンソーに就職、横浜DeNAベイスターズ、韓国のロッテジャイアンツでデータ分析に従事する。その後、当社のデータ戦略室の立ち上げにジョイン。データ戦略室チーフに就任。

金丸 将志(かなまる まさし)データ戦略室
学生時代、インターンで他球団のデータサイエンティストの経験あり。新卒で2020年に広告会社に入社しデジタル広告営業を担当。約3年勤務した後、2024年からライオンズのデータ戦略室にて勤務。幼少の頃からのライオンズファン。西のもとでスタッフとしてデータ活用策に取り組む。

 

プロ野球でのデータ活用について

 西
どこの球団もそこまで進んでいるイメージは今もないですね。多くのデータを収集できるようになりましたが、集計して特徴まで出したあと、そこからどういうアプローチをするのか、戦略にどう役立てるのかまではできていない印象です。それは人手不足というより、球団がデータを欲していないパターンが多く、データを使って意思決定をする習慣がまだないですね。ライオンズは意思決定のプロセスの中でデータを活用したいというビジョンがあることが他球団との違いで、だから求める人材も明確になったんだと思います。

金丸
今後さらにプロ野球でのデータ活用というのはマストになる領域だと思っています。どの球団もデータを獲得できる環境が整ってきたので、他球団と差をつけるのではなくて、他球団から差をつけられてしまうことがないようにしなければならないと思っています。

ここまでの仕事を振り返って

 西
データを自動でプラットフォームに流し込み、いつでも誰でも見られる環境というのは整ってきていています。それを使って、データを常にモニタリングして、管理していくという流れもできつつあります。この流れは来シーズンも続くので、チームが意思決定をし続けるうえで、今年我々が用意した資料よりも、さらに詳細な資料を提供していきたいと思っています。

金丸
これまでなかった「データを常に見られる環境」というのができたことは、データ戦略室ができた意味があったと思います。ただ、スカウティングや編成での活用に偏りがちで、なかなか試合の現場レベルまでは、まだ着手できていないのが現状です。スコアラーやアナリストとも連携していくところはこれからの課題だと思っています。 

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データ戦略室の取り組みについては、こちらのインタビュー記事も併せてご参照ください!
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チームにおけるデータ活用の課題

西
データを使って意思決定していく習慣を作ることが課題です。少し思考のプロセスを変えるようなイメージで、口酸っぱく「データ戦略室がまた何か言っているよ」と思われるように。諦めずに、ですね。実績はないですが、続けることで変わると思いますし、そういう失敗例も経験しながら、データ戦略室の言っていることって、それなりに正しいんだという認識をしてもらえたら、もっと耳を傾けてくれるのではないかと思っています。

金丸
チーム内で会話をしていくなかで、データの管理方法ひとつとっても、まだまだだと感じています。課題も多いので、一歩ずつ解決していくのと同時に、解決するための武器は多く持っていなければいけないと思っています。ニーズに合わせて、よりデータを活用しなければならないところもありますし、コミュニケーションをとっていくなかで、新しいアイデアが生まれることもあるので、その引き出しのケアができるように準備していきたいと思っています。

それぞれの役割期待

西
私の場合は、これまでの経験を生かして、ライオンズの理想の姿を追求するということだと思います。さまざまな機器などから取得しただけの状態になっているデータを一元化し、誰もが見やすい状態にして、それを元に意思決定のサポートができる環境の整備や、私自身も分析をして意思決定の材料を作ることです。チーフという役割については、1人で分析していくことより、自分と同じことができる人を増やしていきましょう、ということを求められていると思います。

金丸
先進的な分析をするというよりは、その初期段階ですね。データ戦略室に求められているのは、データ活用の推進で、ニーズを聞いたり、またそれに応えるなど、広くコミュニケーションを取って、どんどん進めて欲しいという思いを感じています。そこをより一層取り組んでいかないと、今年できた土台の部分が活かせず、新しい取り組みをしても機能しなくなってしまうので、それを防ぐためにも積極的にコミュニケーションをとっていきましょうというところです。私は前職で、2つの部署を兼務していて、部署を跨いだ提案という業務をしていたので、その経験が今に生きています。

入社動機は

西
募集要項を見たときに、データに対する期待が高いと感じ、入社後のイメージができたこと、ライオンズの土台を一から自分の手で作りあげていくことが、面白いと感じて応募しました。これまで見た募集要項は、ぼんやりとしていて、仕事のイメージがつかないものがほとんどでしたが、ライオンズは“これ、わかっている人が書いているな”と感じたくらい詳細に記載されていたので、専門分野である私も入社後は受け入れてもらえる土壌があるのだと感じたのも応募のきっかけでした。

金丸
前職は広告代理店で働いていました。5年目に差し掛かるタイミングで、将来、どんな道に進むかを考え始めた時期に、ちょうどライオンズの募集を見つけました。ぼんやりと野球界で働きたい気持ちは持っていましたが、常に募集のある職種ではありませんし、実はライオンズファンなので、募集を見て迷いはなく、すぐに履歴書を送っていましたね。

入社後のギャップは

西
これまで勤務した会社は、基礎があった状態でのスタートだったのに対し、ライオンズの場合は基礎から作りあげていくフェーズだったので、ある意味でギャップがありましたが、そこが魅力的でもありました。

金丸
データ活用についてはまだこれから、と言う感じでしたので、現場や組織全体としてデータを受け入れてもらえるか、というのは不安に思っていましたが、実際はコミュニケーションも多いですし、遠慮なくリクエストもいただけるので、やりやすい環境だと感じています。バイオメカニクス担当など、すでに数字を扱う部署、近くで働く方々が寛容な方が多かったことも大きいです。

働き方について

西
業務委託で働くのは初めてなのですが、求められているアウトプットができていれば、あとは自由ですね。時間もそうですし、この仕事をするために会社に行くという感じで、やることやって終わったら帰るみたいな、ハッキリ割り切りができるところは働きやすく感じています。

金丸
これまでデスクワークばかりだったので、体力的な心配はありました。実際、入社してすぐの春のキャンプは立ち仕事も多くて慣れるまで大変でした。シーズンが開幕してからは、チームと帯同するため、6勤1休になりますが、目的があって、やるべきことやるために会社に行くので、憂鬱な気分で出社することはないです。またある程度、仕事の裁量があることも前向きに勤務できている要因のひとつだと思います。

この仕事の魅力は

西
多くのデータに触れることができることですね。トラッキングデータが扱えるのは面白みを感じています。ここまでの細かいデータを扱えるのは球団に就職しないとできないことなので、そこに魅力があると思います。あとは新しい組織なので、ファンの方にも知ってもらうことで、野球とデータの関わりや、一部のファンの方からはすでに注目が高いところもうれしく思っています。

金丸
まず、日本に12球団しかない会社で働いていることは何にも代えられないです。そのなかで、試合に臨んでいくチームに対して、情報提供ができるという点は魅力を感じますし、それと同時にファンの方々も勝利を求めているので、非常に責任感も感じながら、日々の業務にあたっています。

思い描く未来は

西
球団内で正しいプロセスを踏めるようになって、そのうえで強いチームになってほしいという思いがあります。そのためにも我々も努力して、情報提供やコミュニケーションに取り組んでいます。正しいプロセスを踏んだ選手たちが、数年後には必ず活躍していると思うので、ここからチームは少しずつ強くなると感じています。

金丸
やはり球団全体で正しいプロセスを踏んだうえで意思決定ができる環境が重要かなと思います。戦術面での活用はもちろん段階があると思うので、今年はまず、その土台作りをした、というところです。いずれは誰が見てもわかりやすいものにしていきたいと思っています。

どんな人が向いているか

西
説明の場が多いので、そのための資料作成や説明が上手な方がいいですね。そのうえで、細部までこだわることができる人です。

金丸
組織で動いているので、コミュニケーションはすごく重要になってきます。それが苦にならない人が良いかと思います。あとは体育会系の組織に入り込めるとか。もちろん野球が好きな人は大歓迎です。

データサイエンティティスト募集中!9月30日(月)まで

現在、埼玉西武ライオンズでは、西・金丸と共に働くデータサイエンティストを募集しています。応募はこちらから!