会えないファンの人たちと喜びを分かち合いたい!ライオンズホーム勝利時の恒例『勝利のハイタッチ気分動画』誕生までと舞台裏
3ヵ月続けての8連敗と、厳しく悔しい状況が続いています。
そのようななかでも、選手の力になっているのは、共に戦ってくださるファンの皆さまの存在です。
ライオンズが主催試合で勝利した際に公式YouTubeなどで発信している「ライオンズの選手と勝利のハイタッチ気分!」。
今回は、後半戦へ向けて勝利を積み重ねていくことを願って「ハイタッチ動画」のプロローグをSNS担当者が初めてnoteに投稿します。
「ハイタッチ動画楽しみ」「ハイタッチ動画きたーーーーーー!!」
ホーム戦で勝利が決まると、SNS上でファンの方々から「ハイタッチ動画」というワードが飛び交い、勝利と共に動画を心待ちにしてくださっているのだと実感しています。
これまで、ライオンズOB松坂大輔さんも現役中に登場したり、現在ではライオンズを応援してくださる著名人の方がゲストにいらっしゃった際に登場いただくことも増えてきました。
■異例の2020シーズン、消えた「勝利の恒例行事」
2020年といえば新型コロナウィルス感染症が世界的に猛威を振るい、未曾有のパンデミックに皆さまの生活が一変したのではないでしょうか。
プロ野球界では、春季キャンプの途中から、それまで当たり前だったファンの皆さまとの交流が制限されました。
さらに、2月26日にはオープン戦の無観客開催が決定し、3月9日には開幕を延期することが決まりました。
ようやくプロ野球の2020シーズンが開幕したのは、例年より3ヵ月ほど遅れた6月19日。無観客での開催でした。
開幕当日は、公式SNSで当時の西武線沿線の様子と開幕に向けて準備が進む球場などの様子を発信しました。
不安な日々の中に少しでもファンの方に明るく前を向いていただくようなことができないかと考え、カメラ片手に各所と調整しながら撮影・編集したことを今でも覚えています。
ファンの皆さまがどう受け取ってくださるのか、コメント欄やSNS上でのリアクションをドキドキしながら確認していると、
「家で全力応援します」「ようやく生活の一部が帰ってきた」「夫婦ともに楽しみにしていました」といったコメントの数々に、私たちも力や勇気をもらいました。
約1ヵ月後の7月10日には、観客数の上限を設けたうえで、有観客での試合開催が実現。
当時は1カード6連戦が基本となっており、2週間のビジター連戦を終えて帰ってきた7月21日にベルーナドームでの有観客試合を迎えました。
ファンの皆さまの前で強さを見せたライオンズは見事勝利。
本拠地での勝利と言えば、ファンの皆さまと試合を終えたばかりの選手たちが喜びを分かち合う、バックネット裏の通称「ビクトリーロード」でのハイタッチが恒例行事でした。
しかし、このイベントも感染症リスクがあるとして中止に。
結局2020年は一度も実施できないままシーズンを終えました。
■ファンの皆さまと選手の新しい接点を
翌2021シーズン、開幕から有観客で開催することはできたものの、観客数の上限の設定は継続。
残念ながら、ビクトリーロードでのハイタッチイベントも、昨年に続き実施できませんでした。
私たちはこのベルーナドームをどの球場よりも選手たちを間近で見れる球場だという自負を持っています。
しかしwithコロナで、その良さが表現できていない・・・何とかしてこの状況下でも、ファンの皆さまに画面を通じて選手たちを身近に感じてもらい、元気を出すきっかけをお届けしたいということで、ライオンズ本拠地勝利の恒例行事を、「勝利のハイタッチ気分動画」と題してSNSで公開しようと決めました。
開始当初は感染対策に気を配りながら、不定期企画としてファンの皆さまに発信していました。
数回ハイタッチ動画を発信していくと、SNS上でファンの方々からこんなコメントが。
「勝ったら毎回やってほしい」「レギュラー化希望」「毎日見たいなこれ」
さらに、勝ったのにカメラを構えていないと選手や辻前監督をはじめとした首脳陣からは、
「やらないんですか?」「あれ?今日はないの?」「なんだよー、ないのかー」というリアクションも見られました。
ファンの方々からの待ち望む声、選手たちの前向きな声。
予想以上のポジティブなリアクションの多さに、「ビクトリーロードが復活するまで、ファンの皆さまとライオンズが一緒に喜びを共有する場にしよう」と決意を新たに、2021シーズン途中からホームゲームでの勝利時は必ず公開することにして、現在も続く恒例企画となりました。
■時間との勝負、喜びを分かち合うための一工夫
試合後なるべくタイムリーに動画を公開したいものの、ここである問題点が。
それは感染対策のマスク。
直前までプレーをした選手以外はほとんどがマスクをして上がってくるため、そのままだと何を話したのかが伝わらず「なんて言ったの?」「誰の声?」と、疑問なままで動画が終了!!なんてことになりかねません。
そのため、カメラに向かって発してくれた言葉はすべてテロップに起こすようにしました。
ナイターゲームの際は終電時間も気にしながら、「ファンの皆さまに少しでも早く届けよう」と、毎回全集中で編集していました。
その後、マスク着用が自由になり言葉も聞き取りやすくなった2023シーズンからは、テロップではなく、動画に映った選手やスタッフの名前を表示することに切り替えました。
これは、ファンの方それぞれの推しの選手を見逃さないように、また新なた推しを見つけてほしい。という思いからです。
夜遅くに試合が終わった際は、動画をその日中に公開できないことも年に何度かあり、楽しみにしてくださっているファンの皆さまに申し訳なく思います…。
2023年のシーズン途中に新型コロナウィルスが感染症法の5類に移行し、さまざまな制限がなくなりました。
ハイタッチ動画の役目も果たしたかなと感じていたのですが、ファンの皆さんが楽しみにしてくださっている言葉に背中を押され、目的を変え、現在も続けさせてもらっています。
■恒例の○○はいつから始まったのか?
ライオンズのハイタッチ動画は、ベンチ裏の様子かつ、控えのブルペン陣や球団スタッフも登場するのが特徴です。
一人ひとりの個性のようなものが垣間見えるのも、このハイタッチ動画だからこそ。
では、ファンの皆さまにお馴染みとなった動画内の恒例のアレはいつから始まったのか、今回改めて振り返りました。
○○のおかげです
誰が発したワードか、検討がつくファンの方も多いのではないでしょうか?
これは、増田達至投手を筆頭に、中継ぎ陣が勝利に貢献しようと力投した投手を称える際に発していた恒例ワードです。
今回、3年も前なので覚えてないかぁ?と思いつつ、増田投手本人に何きっかけで始まったか確認したところ…
「ごめんなさい、覚えてないです」と予想通りのリアクション笑。
これまで100本以上公開したハイタッチ動画を振り返ったところ、最初にこの「〇〇のおかげです」を増田投手が発したのは、2回目のハイタッチ動画でした。
その後、「〇〇のおかげです」だけでなく、中継ぎ陣が揃って同じメッセージを言いながら通り過ぎるのが定番となりました。
そういえば、中継ぎ陣は発する言葉が綺麗に揃うことが多いなと、筆者自身感じていたので、増田投手に聞いてみたところ・・・。
「ハイタッチ動画が日常になってからは、試合後の投手ミーティングが終わったら、今日のハイタッチ動画はどうする?って投手陣で確認してからみんな一緒に引き上げていました。」
なんと、そんな裏話があったとは全く知りませんでした。
さらに増田投手は、
「そういえば去年のオフ、スポンサーの皆さまに感謝をお伝えする感謝の集い」で、スポンサー代表の方が「ハイタッチ動画が面白い!中継ぎ陣が今日は何を言うのか楽しみにしていました。」とスピーチで言ってくれたんですよ。
めっちゃびっくりしました。見てくださってはるんやって。
コロナ禍で応援してくださるファンの皆さまと実際に触れ合える機会はなくても、ハイタッチ動画を通じて新しい繋がりができていたんだなって思いましたね。」と話してくれました。
多くは語らない、だが目線はファンへ。渋い栗山選手
大ベテランの栗山巧選手は、いつも敬礼のようなポーズをしてファンの皆さまに合図を送ってくれています。
これは当時から栗山選手がプレー中に適時打や本塁打を放った際に、首脳陣やチームメイトに応える際にとっていたポーズです。
ハイタッチ動画では当初、手を振って応えることが多かった栗山選手。
初めて敬礼ポーズをしたのは不定期発信から切り替えた2回目の2021年6月8日のハイタッチ動画でした。
栗山選手の前を歩いていた、当時一軍コーチだった小関竜也現ファームコーチが敬礼ポーズをしたのに続いた形でした。
その後は敬礼ポーズがほぼ定番に。
ハイタッチ動画の前では多くを語らない栗山選手ですが、カメラの向こうのファンの皆さまへ届くように必ず目線を向けてくれます。
そんな栗山選手だからこそ、いつもと違ってメッセージを発すると、
「栗山さんがお言葉を」「普段無口な栗さまが喋った…尊い」と、
ファンの皆さまも思わずコメントでリアクションしてしまうのを筆者も楽しく拝見しています!
下の動画は、同期で同い年の中村選手が試合を決めた日でした。
ハイタッチ動画内ではレアな栗山選手の喋り、今年は山村崇嘉選手が引き出してくれていました。
次回、栗山選手がハイタッチ動画で喋るのはいつなのか?
そんな楽しみもファンの方にはあるのではないでしょうか。
今日15日(月祝)からは、オールスター前最後の本拠地ベルーナドームでの試合が6試合続きます。
目の前の試合に向けて今日も必死に準備をする選手・首脳陣・球団スタッフ。
そして、どんなときも叱咤激励をくださるファンの皆さまと、喜びを分かち合える回数がひとつでも多くなることを今日も願いながら、歓喜の瞬間に備えます。
共に強く。共に熱く。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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