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「ホームランボールは本当に看板広告に当たるのか」営業担当が本気で調べてみた話

こんにちは、西武ライオンズ広報部です。

週末はLIONS CHRONICLE 西武ライオンズ LEGEND GAME 2024をお楽しみいただけましたか?
開幕投手をOB戦で発表するという試みを初めてやってみました!
そのあたりの背景は次回のnoteでお伝えしたいと思います。

さて、いよいよ開幕まであと10日ほどになりました。
ベルーナドームでのオープン戦も先週から始まりましたが、すでに球場にお越しいただいた方々は(と言ってもまだ2試合しか開催していませんが)、球場のわずかな変化にお気づきでしょうか…?

新しい店舗が1塁側にオープンしたり…。

駅や場内の装飾をリニューアルしたり…。

そして、スタジアムにはおなじみの看板広告も、一部リニューアルしています!

2023シーズンに初めてライト側に登場し、2024シーズンはレフト側に場所を移した「ここに当たれば¥100,000,000(1億円)」の看板。
東京都立川市に本社を構え、主に不動産事業を展開する立飛ホールディングスが設置するホームラントラス広告、通称看板広告です。


■設置のきっかけは社長の一声

時はさかのぼり2022年の夏、立飛ホールディングスの村山正道代表取締役社長がベルーナドームに来場されたときのこと。

「あれ(看板広告)って当たるの?当たるなら、やってみようかな。当たったら1億円!って書きたいね。」

そんな村山社長自らの一声で設置が決まった看板広告。数ある看板広告の中でも、もっとも大きく目立つバックスクリーン脇に掲出することになりました。

2023シーズンに設置されていたホームラントラス広告(2023年3月上旬撮影)

チームを問わず、看板直撃のホームランを打った選手は1億円を手にしますが、“1億円看板”は打った選手に加えて、立飛ホールディングスで働く従業員にも1億円が分配される点が特徴的です。
これは「不動産事業を中核に、従業員の幸せを通じて社会貢献する。」という経営理念からきているといいます。

実際に立飛ホールディングスの従業員の方に話を聞くと、
「私たちももらえる可能性があるって聞いてびっくりしました。ライト方向にホームランが出るたびに少しどきどきしながら試合を見ていましたね。(笑)」

■他部署を巻き込んで本気の飛距離計算

営業担当は、本当にホームランが当たるのか、計算して確かめたと振り返ります。

「ライト側に設置することは決まっていたので、左打者のバッターボックスから看板までどれくらいの距離があるのか調べました。看板自体は11mくらいの大きさなので、看板の上側から下側、右側から左側、まんべんなく測って平均値を出して・・・」

計算の結果、推定飛距離約149m弾で直撃することがわかり(空気抵抗は無視しています)、無事に看板広告の掲載が決定しました。
※参考までに、2001年から2007年に西武ライオンズに所属していたアレックス・カブレラ選手が2005年6月3日の横浜戦で打ったホームランの推定飛距離は約180mと言われています。

「バッターボックスから看板までの距離は生まれて初めて測りましたね。せっかく看板広告を出していただけるのなら、こちらとしても誠意をもって計測しようと。ドームを管理する部署の社員も巻き込んで、レーザー距離計を使って本格的に測りましたよ!」と笑って以下の資料を見せてくれた。

「ちゃんと計算しました!」と見せてくれた資料

2023シーズンは残念ながら直撃ホームランは出ませんでしたが、オフにさらなる進展がありました。

■コンバートは突然に

事の発端は、シーズンを通して支えてくださったスポンサー企業さまを集めて開催した昨年11月の「埼玉西武ライオンズ 感謝の集い」でのこと。
監督や選手たちもスポンサー企業さまと同卓に座り、歓談などを通して懇親を深める場ですが、立飛ホールディングスの皆さまと同席したのが、佐藤龍世選手でした。

佐藤龍選手が立飛ホールディングスの皆さまに「佐藤選手、当ててよ!当たったら僕たち社員も1億円山分けなんだよ」と言われ、「本当ですか!?最高ですね!でも、ライト側だと難しいですね…レフト側だったら右打者でも狙えるんですけど。」と、その席で直談判すると、すぐにレフト側への移設を検討されたそうです。

営業担当は「もちろん改めて計算し直しました。今度は右打者のバッターボックスから。村山社長が“従業員に分配できる可能性を少しでも上げたい”とおっしゃっていたので、2023シーズンの位置よりも直線距離が短くなる場所で、かつ佐藤選手のリクエスト通りレフト側に設置を決めました。推定飛距離ですか?空気抵抗を無視して約140m弾で直撃です。昨シーズンよりも約9m短くなりました!

看板のあらゆる場所を計測して、平均値を出しました。
下の数値がバッターボックスからの距離を表しています。

レフト側のコンバートが決まった後、アギラー選手の入団を耳にした村山社長は「当てられるものなら当ててみろ!という気持ちもありますが、、、余計なこと言っちゃったかな(笑)でも、社員の皆さんに1億円を分配できる可能性を上げたかったので、移動させたからにはぜひ当ててほしいですね。」とおっしゃっていたそうです。

今月12日(火)の試合で改めて看板を目にした佐藤龍選手は、「看板の位置が変わっていることには気が付きましたが、まさか自分がきっかけだとは…知らなかったです。僕はホームランバッターではないので難しい挑戦ですけど、あのとき立飛ホールディングスの方と同じテーブルになったこともご縁ですし、僕が当てて社員の方に還元できれば。ちなみに僕が直撃弾を打って1億円をもらえたら、地元に内装にこだわりまくった大きな家を建てます!」

自身のひとことで看板広告を動かした佐藤龍選手

■応援していただいているからこそ

日頃からあらゆる形でライオンズを応援していただいているスポンサー企業の皆さまのことを、ファンの皆さまにももっと知っていただきたいですし、そのためなら飛距離計算だって、何だってやります。“ベルーナドームの看板で見た!”とか“ライオンズの試合でよく聞くやつ!”と、スポンサー企業さまを思い出していただけるような提案も積極的にやっていきたいです。」と営業担当は話します。

昨年よりも直線距離が短くなり、直撃の確率が上がった“1億円看板”。果たして今シーズン、看板直撃のホームランを打つ選手が現れるのでしょうか!
看板以外にも昨年から変わっている部分も所々にありますので、ぜひ昨年との違いを見つけてみてくださいね。


最後に、「共に強く。共に熱く。」これは当社の事業ビジョンです。
ファンの皆さまはもちろん、スポンサー企業の皆さまからも、私たちライオンズに多くのご支援をいただいています。それらの費用で、選手たちが快適に野球に取り組めるような環境を整えさせてもらっています。そうして強さを求め、まさに皆さまと「共に強く。」なっていると信じています。チームが勝つ、あるいは負けたとしても接戦で最後まで熱狂して応援していただける戦いをして、「共に熱く。」なりたいと願っています。

プロ野球は比較的メディア露出も多く、世間から注目もされていますが、私たちを支えていただいているスポンサー企業の皆さまが注目されることは、それほど多くはありません。だからこそ私たち広報担当は、ご支援いただいているスポンサー企業さまを、ライオンズというコンテンツを通じて、世の中の方に広くお伝えしたい。そして、共にライオンズの事業ビジョンを体現している実感を、五感すべてで味わいたいと考えています。