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セデーニョ選手が描く日本での野球人生

2月1日から始まった春季キャンプも終盤となり、17日(月)と18日(火)には紅白戦が行われました。

すべてのポジションが白紙のなか、4番打者として期待されるのが今季ライオンズに加入したレアンドロ・セデーニョ選手。

2日間行われた紅白戦ではいずれも4番を任され、計6打席で4安打を記録。17日にはライトに同点となる特大のソロホームランを放ち、翌18日にも安打を記録するなど、順調な仕上がりをみせています。

1月末に行われた入団会見から3週間。すっかりライオンズのユニフォームを着こなしているセデーニョ選手について紹介します。


継続は力なり

実はこれまでなかなか会話する機会がなかった筆者は「自分を一言で表現するならどんな人ですか?」と思い切って質問。自己紹介から始めてもらうことにしました。

するとセデーニョ選手は「継続できる人」と即答。想定していなかった答えに戸惑いましたが、「辛いことも、楽しいことも我慢強く乗り越えることができるから」と教えてくれました。

さぞかし厳しく育てられたのかと想像しましたが、優しい両親と妹の4人家族で、全員がスポーツをしているスポーツ一家だそう。“何事も諦めない”のが当たり前、というアスリートならではの環境下で育ったといいます。

そんなセデーニョ選手の祖父も父も野球をしていて、物心がついた頃には野球が好きだったとか。
「他にはバレーボールもやっていたよ。けっこう上手なほうだったけど、野球が好きだったから、野球を続けることにしたんだ」と自慢げに話してくれました。

「継続することは苦しいことばかりではなくて、何ごとも準備が重要だと思っているんだよね。その準備をしっかりすることが継続にあたるイメージかな」。
これまでどんな状況においても準備を完璧にすることを意識してきたといいます。


日本での野球人生

アメリカのマイナーリーグで8年、日本で2年プレーしたセデーニョ選手。アメリカと日本の違いを聞いてみました。
「日本の野球は、守備に関しての考え方を大事にしているよね。細かい野球を心掛けているように感じるね。投手も運動神経がいい。アメリカはどちらかというとパワーがメインで、投手なら、どれだけ速い球を投げられるか、打者なら何本ホームランが打てるかっていう感じ。そこが大きな違いかな」

ライオンズ入団時には長打力が魅力で、打線の中軸を担って欲しいと期待されていたセデーニョ選手ですが、日本の細かい野球も自分に合っていると感じているそう。

「確かに自分はパワーヒッターだけど、日本の細かい野球を見たとき、それを覚えることができれば、プロ野球選手として、さらにレベルアップすることができると思ったんだ。これまで納得したシーズンを送ることができずにここまできたけど、今季はベストな1年になるようにしたいと思って練習をがんばっているよ」と話してくれました。

「来日1年目の2023年は右も左もわからなくて、難しい部分が多かったし、育成選手としてオリックスに入団して、5月に支配下選手になったけれど、成績を残すのに必死だったね。昨年は数字としては悪くないけど、自分の持っている力を発揮できなかったし、もっとできたと思う。今年は昨年の35打点の倍、70打点が目標で、他の成績もキャリアハイを達成したいと思っているよ」と意気込みを語りました。

セデーニョ選手の素顔

ここまでセデーニョ選手の話を聞いていると、野球に真っすぐで、ストイックなイメージだったので、筆者は思い切って聞いてみることに。

「自分を甘やかすことはありますか?」

すると「シーズン中に月間MVPを獲ったときは自分にご褒美を買うのが好きで、今欲しい時計があるから、早く月間MVPを獲らなきゃいけないよ」とうれしそうに話します。

そして周囲からシャイな一面があると言われていることを話すと、「自分でシャイとは思っていなかったけど、やっぱり言葉が通じないから話しかけづらい面はあるかな」と胸の内を明かしてくれました。
確かに、このインタビュー中、目を合わせてくれたのはほんの数回。。。

それでも翌日にインタビューのお礼を言うと「ありがとうございます」と笑顔で応えてくれ、さらにその翌日には筆者を驚かせるという悪戯をするくらい、打ち解けることができました。

日本の魅力に触れて

外国人選手というと、日本食に苦戦しているイメージがありますが、セデーニョ選手もその一人。「正直なところ健康管理は全然できていないよ(笑)」と驚きのコメント。

「日本の食事が美味しすぎて、つい食べ過ぎちゃうんだ。我慢できないね」とお茶目な一面を見せてくれました。

大好物は焼肉。続いて豚骨ラーメン、餃子、かつ丼、焼きそば。
どれもオリックス時代のチームメートや当時の通訳さんが連れて行ってくれたものだそうです。

なかなかハイカロリーなものばかりですが、食事の際には野菜を意識したり、食べる順番にも気を付けているそう。
その他にも、3食しっかりとることや朝食には卵などタンパク質を多めに、夕食にはブロッコリーを食べてリカバリーを意識したりと、日本食を美味しく食べるために日々気を付けているといいます。

キャンプ中の食事も問題なく、毎日のランチタイムを楽しみにしているセデーニョ選手。思わずこぼれる笑みから、その気持ちが伝わります。

プライベートでは、沖縄や奈良、京都を訪れたそうで、どちらも楽しい思い出になったようです。
家族は4月頃に来日予定で、「奥さんがハローキティが好きだから、まずはそういうお店に行くことになりそう」と、来日を心待ちにしています。

長く記憶に残る選手へ

今年で26才とまだまだ伸びしろのあるセデーニョ選手。どんな野球選手になりたいのかと尋ねると「日本人選手の打席での粘り強さと学びたいと思っているよ。2ストライクで追い込まれても粘って、打てる球が来たら打つ、ということができるようになりたいね。守備は1日1日チームメートの練習をよく観察して、吸収できるものはどんどん吸収したいと思っているよ。いつかはゴールデン・グラブ賞も獲りたいね」と夢は膨らみます。

日本の野球が好きで、できるだけ長く日本でプレーしたいと思っているセデーニョ選手。「アメリカは旅行で行くくらいがいいかな笑」とびっくりする発言も。

「将来のことはわからないけれど、1年1年、自分のベストを出して活躍すること、それが結果的に長く続けば、それ以上にうれしいことはないね。このオフはしっかりトレーニングができたし、もう80%くらい仕上がっているよ。今年1年が夢に出てくるような年にしたいんだ。現役を引退して、おじいちゃんになったとき、孫たちに自慢できるような1年にしたいね」と意気込みを語りました。

そして「長くみんなの記憶に残るような選手になりたいと思っているし、それは野球選手としても、ひとりの人間としてもね」と締めくくりました。

球場でセデーニョ選手を見かけた際には「レオ!」と、ぜひ声をかけてあげてくださいね。