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「ライオンズを愛して、ライオンズのためにがんばりたい」新加入の辻󠄀竜太郎二軍野手コーチってどんな人?“辻󠄀ガッツ”の裏話も!

「古川―!!しっかり振らんとー!はい次、連ティー!!」
「ええ顔するなあ野村~!ええぞ~!」
「功児―!すぐ休まんと打つんやー!」
秋季キャンプ中CAR3219フィールドやプロスピ トレーニングセンターに響き渡る、ライオンズでは少し珍しい関西弁の正体。

辻󠄀竜太郎コーチ。
2024シーズンまでオリックス・バファローズで打撃コーチを務めていましたが、来シーズンからライオンズの二軍野手コーチを務めます。
前回のnoteでは球団本部長の広池浩司をご紹介しましたが、彼と同様、辻󠄀コーチも選手・コーチとしてライオンズの在籍はありません。

「いろいろ喋ってまうから、うまいことまとめてな~」と今回のnote執筆にあたりトークを繰り広げてくれた辻󠄀コーチについて、同じく関西出身の広報担当がお届けします。


■在籍経験のない西武から声がかかった

1976年、大阪府箕面市に生まれ、2001年のドラフト会議で当時のオリックス・ブルーウェーブから指名を受けプロ野球選手に。
2007年までプロ野球界で現役を続け、2008年からは独立リーグの信濃グランセローズへ選手兼打撃コーチとして入団し、2014年に引退しました。
翌年から古巣オリックスへコーチとして戻り、2024年まで外野守備・走塁コーチ、打撃コーチ、育成コーチなどを務めてきました。

現役時代のときに見ていたライオンズのイメージを聞くと
「とにかく強かった。西口(文也)さん(一軍監督)、小関(竜也)さん(ファーム監督)、カブレラとかね。ほんま強かったな~」と辻󠄀コーチ。

同じパ・リーグではあったものの、ほとんど繋がりの無かったライオンズから声がかかったときの心境を
「びっくりした。このままじゃいけないから手を貸してほしいって言われて…すごい熱意やった。やから、よしやってやろうって気持ちになったよね」
と振り返ってくれました。

初っ端からそんな深い質問してくんの?と筆者に突っ込みを入れる辻󠄀コーチ

■「選手と一緒になって考える、会話をたくさんしたい」辻󠄀コーチのスタイル

信濃グランセローズ時代から数えるとコーチ歴は15年以上。自身のコーチ像を聞くと、少し考えて、
選手と一緒になってやる。押し付けるんやなくて『どういう選手になりたい?』って聞いて、ああしよう、こうしようって会話をめちゃくちゃしながらやっていくタイプかな。これまで関わった選手たちはみんな俺のこと”竜さん”って呼ぶねん。“辻󠄀コーチ”なんてかしこまった呼び方はやめてくれ~って(笑)自分から選手にそう呼ばせてるし、もうすでに所沢秋季キャンプの野手メンバーの中では呼んでくれる選手もおるよ」。

辻󠄀コーチを“竜太郎さん”と呼ぶ古川雄大選手と2ショット。
実は“りゅうさん”は既に眞山龍ファーム・育成ディレクターがいるため、ライオンズでは“竜太郎さん”呼びが主流になりそうです。

コーチの仕事についての考え方を聞くと、
「一軍は、ネクストバッターズサークルに入るまでにどれだけ頭の中を整理して準備して前向きな気持ちで入れてあげるか、打席にストレスなしに入れてあげるかが大事。
でもファームはまた変わってくる。選手自身と話をしながら何が足りないのかを一緒になって考えること。選手自身も野球以外のプライベートな話とかもいろいろあると思うし、じっくり聞いてあげたりもするよ。俺も息子や娘がいるし、そんな感じでいろいろ会話をしながら、ね」
と話す辻󠄀コーチ。

独立リーグ時代から始めたコーチという仕事、最初は右も左もわからず試行錯誤していたそうですが、いろんな監督、コーチと出会い、学び、吸収して今のスタイルになったそうです。

そんな辻󠄀コーチといえば、とある姿が一時期メディアで話題になったのを皆さんご存知でしょうか。

■”辻󠄀ガッツ”は健在?「俺はそんなタイプやないねんけど…」

オリックスでコーチをしていた2020シーズン、選手がタイムリーを打った時に真っ先にベンチを飛び出してガッツポーズを見せる姿がファンの間で話題となり、メディアでは”辻󠄀ガッツ”と呼ばれていました。

”辻󠄀ガッツ”が生まれたのは偶然にもオリックス対西武の試合。ライオンズが負けてしまった記事なので引用するのが心苦しいのですが…辻󠄀コーチの魅力を皆さんに知っていただきたいのでご紹介します。

辻󠄀コーチ自身も現役時代、感情を全面に出すタイプだったのか、と尋ねると
「いーや、全然出さないタイプよ(笑)あの時は、今の自分にできることは何かを考えて、ベンチを盛り上げようと思っててん。ファームにおった頃は割とやっててんけど、まさかあんな風に記事になるとは思ってなかったわ…(笑)」
とのこと。

選手と一緒になってやる辻󠄀コーチのスタイルが、無意識のうちに試合中にも表れたのかもしれません。
関西弁は少しきつく聞こえる方もいらっしゃるかもしれませんが、どこか愛を感じる辻󠄀コーチの声かけ。長くコーチとしてやってこられた理由がここにもあるのかもしれない、と筆者は感じました。

所沢秋季キャンプ中カメラに目線を送った辻󠄀コーチ

”辻󠄀ガッツ”をライオンズでも見たいです、と伝えると
「いや~ええねんけど、声出しすぎると呼び出しのアナウンスが聞こえへん、うるさいって言われんねん(笑)」
と笑わせてくれました。
来シーズンはファームの試合のベンチにも注目して見てみてくださいね!

■ファーム(二軍・三軍)という場所について

一軍よりもファームでコーチをしていた時間が長い辻󠄀コーチ。ファームという場所での指導については、
「一軍に送り出すことももちろん必要やけど、長い目で見ないといけないと考えてる。ルーキーとかが一年でガッとすぐ上がるのはなかなか難しいこと」
と話してくれました。

また加えてこんなことも。
技術だけやなくて人間形成もしないといけないよね。あいさつとか人との接し方とか、決められているルールを守るとか。基本的なことをとにかくしっかり、当たり前のことを当たり前にできるようにする。そのうえで一軍で活躍し続ける技術も身に着けないといけないからね。
これまでもずっとこの考え方は大事にしてコーチの仕事をやってきたけど、時代も変わってきてるし、今の子たちのスタイルがあるから、クッとこらえて辛抱強く見ていかんとね」。

所沢秋季キャンプ中の様子

「当たり前のことを当たり前に」
これは先日のnoteでご紹介した球団本部長の広池も大事にしている考え方です。
一軍で今もなお活躍を続ける選手もいれば、なかなかうまくいかない選手など、これまで多くの選手を見てきた辻󠄀コーチ。所沢秋季キャンプ中も積極的に選手に声をかける姿が印象的でした。

■ライオンズを好きになって、ライオンズを愛して、ライオンズのためにがんばりたい

最後に来シーズンに向けて意気込みを聞かせてください、と聞くと「え、もう最後なんか!なんやねん~」とちょっと寂しそうにしつつ、熱く答えてくれました。

「どこのもん(者)かわからん僕を呼んでくださった。よしやってやろうという気持ちでいっぱい。かっこつける訳やないけど…ライオンズを好きになって、ライオンズを愛したい、ライオンズのためにがんばろかという気持ちやね。
楽しくやる、でもおちゃらけるのとは違う。野手陣は特に、投手陣に迷惑かけてるんやから。チームを強くするために、点を取るために野手陣全員で考えないとね。上がるしかないよ、これから」。

関西弁で選手に声をかける辻󠄀コーチ

今シーズン、一軍で活躍する選手をひとりでも多く輩出できるよう、小関ファーム監督、そして他コーチ・スタッフとともに、チーム再建に貢献していきます。

辻󠄀コーチが所沢秋季キャンプに合流した際の様子は、以下のYouTubeからご覧いただけます!


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